第3編 アンドロイド



第3編 アンドロイド:登場人物


◇瞬示・真美(しゅんじ・まさみ)
 偶然な出来事から超能力を持つ。誕生日はもちろん生まれた時間まで同じ双子のような幼馴染みということになっているが、実は六次元の生命体。

◇一太郎・花子
 瞬示と真美の友人。無言通信という画期的なシステムを発明して人間同士の通信に革命をもたらす。そしてそのシステムの中枢である言語処理プログラムがコンピュータやアンドロイドに多大な影響を与える。

◇ホーリー・サーチ
男の軍隊と女の軍隊に別れて戦っていたが、やがて結ばれる。ホーリーはフォルダーの古き良き友人。ミリンはホーリーとサーチの娘。

◇キャミ・ミト
 キャミは地球連邦政府の大統領だったが、カーン・ツーにその地位を奪われる。ミトも地球連邦軍の司令官だったが、同じくその地位を剥奪される。

◇住職・リンメイ
僧侶である住職と医者でもあり考古学者でもあるリンメイは精神面と科学的見地で瞬示と真美を支援する。お互い引かれるものがあって結ばれる。リンメイの考古学に関する知識がノロにヒントを与える。

◇ノロ
 ホーリーの古い友人。ブラックシャークを建造したり、地球と同じ環境に近いノロの惑星を造った天才で瞬示と真美の正体に迫る。

◇フォルダー
宇宙海賊でブラックシャークの艦長。ホーリーの古い友人であり、ノロの親友。

◇イリ
 ブラックシャークの乗務員でノロをひたすら愛する有能な医者。

◇Rv26
アンドロイド。人間以上に人間的なアンドロイドに進化する。

◇MY28・MA60
ノロの惑星のアンドロイドで、アンドロイドでありながら夫婦である。ノロとフォルダーを側面から支える。

 

◇カーン・ツー

カーンの息子で大統領に就任する。


◇大僧正・最長
 六次元の生命体で双子の兄弟。兄の大僧正は瞬示たちに好意的だが弟の最長はノロを誘拐する。

 

時間島

黄色の時間島と緑の時間島の二種類があって、ともに時空間を自由に移動できる異次元の移動装置。その形は一定していない。

 

時空間移動装置
直径五メートルほどの球体で、小型のタイムマシン。


西暦・永久(えいきゅう)
異なる世界ではあるが、パラレルに存在する世界の年号を示す。一太郎・花子は西暦の世界の人間で、六次元の生命体を除いて他の者は永久の世界の人間。

 

「」
通常の会話を表す。


【】
次元通信の会話を表す。主に瞬示と真美の会話を示す。


{ }

無言通信の会話を表す。


[ ]
中央コンピュータやアンドロイドの交信を表す。

 

第1編のあらすじ


◇第1編のあらすじ

 

 摩周湖で起こったふしぎな事件で瞬示と真美は西暦の世界から永久の世界に移動した。そこは完成第十二コロニーという星で、男と女の軍隊の戦闘にまきこまれるが時間島に包まれて永久の世界の摩周湖から少し離れた海辺の民宿に時空間移動する。


 男と女の軍隊が休戦して瞬示と真美の時空間移動の分析を始める。女の軍隊はサーチを、男の軍隊はホーリーをふたりがやって来た摩周湖に派遣した。


 瞬示と真美は民宿で生命永遠保持手術という不老不死の手術が開発されたことを知ったあと御陵に移動する。御陵から現れた巨大土偶がふたりの攻撃を受けて 消滅してできた穴に吸いこまれて、たどり着いた鍾乳洞の中でふたりは時間がぐらぐらと揺れる時震を体験する。その洞、窟は巨大土偶の胎内で体外に出るとそ こは西暦の世界の御陵だった。真美は自分の家の前でもうひとりの真美に出会うと突然消える。独りになった瞬示は御陵から摩周湖上空に移動して時間島の中で 真美と再会する。そしてふたりの因果が清算されると黄金城に移動する。城主明智光秀が忍者を乗せた大凧を時間島に向かわせるがのみこまれる。


 民宿に戻った瞬示と真美はケンタと摩周クレーターに向かう。そこでホーリーと再会するが、時間島に誘われるまま京都の寺に時空間移動して黄金城から消え た忍者に出会う。そして月の生命永遠保持機構の本部でも忍者に遭遇する。一方ふたりを追いかけて古寺にホーリーとサーチが現れると続いて女の追跡隊、さら には男の追跡隊が現れる。瞬示たちは時間島で前線第四コロニーに逃れるが、男と女の軍隊の時空間移動装置がコロニーを包む時空間バリアーに体当たりを繰り 返すと、時間島が星ごと地球の近くに時空間移動する。


 誰もいない月の生命永遠保持機構でサーチは女が起こしたクーデターの話を披露する。そのあと生命永遠保持機構に残されたデータからリンメイが生体内生命 永遠保持手術を開発したこと、その手術で生まれた胎児が遮光器土偶に変態したあと巨大土偶に成長して地球の生命永遠保持センターを攻撃して壊滅させたこ と、そしてミトの脱出作戦が成功して女たちが地球から完成コロニーに逃れたことが判明する。ホーリーとサーチは生命永遠保持手術の効果を失ったことを自覚 する。


 瞬示と真美はミトが戦った摩周クレーターで巨大土偶を発見する。その巨大土偶が溶けたあとに時間島が現れる。前線第四コロニーやすべての完成コロニーが 時間島によってある宇宙空間に集められる。その完成コロニーでは男の軍隊と女の軍隊の戦闘が繰り広げられていて瞬示と真美が必死に停戦を訴える。前線第四 コロニーで停戦会議が開かれるが、すでに各コロニーの男と女は協力して負傷者の治療に当たっていた。

 

第2編(コンピュータ)のあらすじ


 月の生命永遠保持機構で死んだ胎児が摩周クレーターに向かったことが判明する。ミトたちは宇宙戦艦と時空間移動装置で偵察に向かい胎児が変態した遮光器土偶と埴輪の鳥を発見するが、時空間移動装置が緑の時間島に吸いこまれると宇宙戦艦も消えて西暦の世界に時空間移動させられる。


 無言通信システムを完成させた一太郎が摩周村診療所で小田に無言通信チップを埋めこむが正体不明の男たちに囲まれる。そのとき時空間移動装置が現れてミトたちの攻撃で全員自害する。ミトは時空間移動装置が時間移動できなくなって永久の世界に戻れないことに落胆する。


 幼い瞬示と真美を発見したミトたちは西暦の世界で生きる目標を得ると、宇宙戦艦内の工場で生命永遠保持手術に必要な設備を製造して手術を受ける。


 宇宙戦艦が地球から離れると瞬示と真美の緑の時間島が宇宙から御陵に到着する。ふたりが人間ではないとわかったとき御陵に異変が起きて、宇宙戦艦や時空間移動装置の時間移動機能が回復してミトたちは永久の世界に戻る。


 前線第四コロニーの中央コンピュータは宇宙戦艦が持ち帰った無言通信システムの言語処理プログラムを取りいれると意思を持つ巨大コンピュータに進化する。そしてキャミに地球の明渡しを要求する。


 ミトとホーリーの攻撃で無限後退に陥った巨大コンピュータに再び攻撃を仕掛けようとしたとき、巨大コンピュータが無言通信システムの弱点を突いてノイズを流す。ホーリーとカーンの活躍でノイズ攻撃を防ぐがカーンは戦死する。重傷を負ったホーリーはブラックシャークに救助されて船長のフォルダーにそれまでの経緯を説明する。


 巨大コンピュータと戦うため宇宙の地平線に存在する鍵穴星にブラックシャークと宇宙戦艦が時空間移動するが、宇宙戦艦が宇宙の地平線に追いつめられる。ブラックシャークは巨大コンピュータと宇宙戦艦の距離が近すぎて攻撃できない。


 住職が論戦を仕掛けると再び巨大コンピュータが無限後退に陥って暴走する。そして鍵穴星付近の空間がねじれて宇宙の地平線から強力なエネルギーが押しよせる。ブラックシャークの被害は軽微だったが、宇宙戦艦が壊滅的な被害を受ける。


 さらに大きさがわからないほどのニューロコンピュータに進化した巨大コンピュータは自らを神と名乗ってブラックシャークの前に立ちふさがる。瞬示と真美の超能力を持ってしても倒せないニューロコンピュータを、フォルダーはブラックシャークの最終兵器多次元エコーで撃破する。

 


※この物語はフィクションです。登場人物、団体名、事象等は全て架空のものです。
実在の人物・団体等とは一切関係ありません。あらかじめお間違えの無いようご了承願います。